マスク 【mask】
概要
マスク(mask)とは、覆面(をかぶる)、仮面(をつける)、隠す、などの意味を持つ英単語。ITの分野では、対象の特定の部位を処理や加工から保護する覆いの役割を果たすものをマスクということが多い。フォトマスク
半導体の製造過程で、基板に焼き付けたい回路パターンを書き込んだ遮光材のことをフォトマスクという。
半導体チップの製造では、高純度シリコンなどでできた基板(ウェハ)の表面に感光剤を均一に塗布し、レーザー光を照射する。その際、回路パターンを刻み込んだフォトマスクを被せて露光することで、感光した部分のみが除去あるいは残留し、基板表面に回路が形成される。
ビットマスク
論理演算の分野で、特定のビットをオンにしたりオフにしたりするために用いられるビットパターンを「ビットマスク」(bit mask)あるいは略してマスクという。
例えば、ある値の特定のビットを1にしたい場合、その位置を1に設定して他を0に設定したビットマスクを用意し、論理和(OR)演算を行う。マスク中で1に設定したビットはすべて1となり、0に設定したビットは元の値がそのまま(0なら0、1なら1)残る。
グラフィックス処理のマスク
コンピュータグラフィックス(CG)の描画処理などで、背景画像の上に別の画像を重ねる際に、背景を透過させたい領域が塗りつぶされないように保護する役割を果たすパターン画像をマスクという。背景画像に対してマスクと画像を連続でビット演算させることにより、両者が合成された画像を得ることができる。
グラフィックソフトでは、塗りつぶしやフィルタ加工などを行う際に画像中の特定の部位が影響を受けないよう保護する機能をマスクということがある。マスクに覆われた箇所には加工や操作が及ばず、元の状態が維持される。
(2019.4.24更新)