読み方 : パレートず

パレート図【Pareto chart】

概要

パレート図とは項目を大きい順に並べた棒グラフと、上位からの累積構成比を示す折れ線グラフを重ねた複合グラフ。構成要素の組み合わせと全体のカバー率の関係を一目で把握でき、品質管理や業務改善でよく利用される。
パレート図のイメージ画像

名称は19世紀末から20世紀初頭に活躍したイタリアの経済学者・社会学者ヴィルフレード・パレート(Vilfredo Pareto)に由来する。彼は所得分布の観察から「富の大部分は少数の人々に集中している」という傾向を示した。この考えが品質管理の分野に転用され、「問題全体の大部分は少数の原因から生じている」という経験則として定着した。一般に「80対20の法則」とも呼ばれ、たとえば製品の不良の約8割は上位2割の原因に集約される、という傾向を指す。

パレート図の横軸には不具合の原因や商品の種類など分類した項目を並べ、左側の縦軸に件数や金額などの実数値をとって棒グラフを描く。右側の縦軸には全体に占める累積比率をとり、折れ線グラフで重ねる。左から棒が高い順に並ぶため、折れ線は左側で急に立ち上がり、右へ進むにつれてなだらかになる。折れ線の傾きが緩やかになる手前の項目群が、全体に対して大きな割合を占める原因の集まりと読み取れる。

作成にあたっては、同じ基準で項目を分類し、集計期間や単位を揃えることが必要となる。項目数が多い場合は頻度の低いものを「その他」としてまとめる場合もある。統計的な検定を行うツールではなく、現状の分布を整理して優先順位の判断材料とするための図表である。製造業の品質改善活動では「QC七つ道具」の一つに数えられる定番手法となっている。限られた時間や予算をどこに投じれば効果が大きいかを客観的な数値から判断する場面で活用されている。

(2026.4.29更新)
 

他の辞典等による「パレート図」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「パレート図」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令6】 システム開発プロジェクトにおいて、テスト中に発見された不具合の再発防止のために不具合分析を行うことにした。テスト結果及び不具合の内容を表に記入し、不具合ごとに根本原因を突き止めた後に、根本原因ごとに集計を行い発生頻度の多い順に並べ、主要な根本原因の特定を行った。
令4】 コールセンタの顧客サービスレベルを改善するために、顧客から寄せられたコールセンタ対応に関する苦情を分類集計する。苦情の多い順に、件数を棒グラフ、累積百分率を折れ線グラフで表し、対応の優先度を判断するのに適した図はどれか。
平31春】 システムのテスト中に発見したバグを、原因別に集計して発生頻度の高い順に並べ、累積曲線を入れた図表はどれか。
平29秋】 不良品や故障、クレームなどの件数を原因別や状況別に分類し、それを大きい順に並べた棒グラフと、それらの累積和を折れ線グラフで表した図はどれか。
平28秋】 品質の目標に対し、不良が多く発生しているシステム開発プロジェクトがある。重点的に解消すべき課題を明らかにするために、原因別に不良の発生件数を調べ、図で表すことにした。
平26春】 ABC分析で使用する図として、適切なものはどれか。
平23秋】 パレート図の説明として、適切なものはどれか。
平23春】 製造業のA社では、製品の組立てに必要な部品を購買している。A社では、自社の仕入金額全体に占める割合が大きい部品を、重点的に在庫管理を行う対象として選びたい。
平21秋】 パレート図の使用が最も適切である分析対象はどれか。
▼ 基本情報技術者試験
令8修6/令1修7/平29修12/平28春/平24修6/平21修7】 ある工場では,これまでに発生した不良品について,発生要因ごとの件数を記録している。この記録に基づいて,不良品発生の上位を占める要因と件数の累積割合を表したパレート図はどれか。
令6修6】 パレート図が有効に活用できる事例はどれか。
令5修7/令4修7/令2修12/令1修6/平28修12/平27修7/平23春】 プロジェクトで発生している品質問題を解決するに当たって,図を作成して原因の傾向を分析したところ,発生した問題の80%以上が少数の原因で占められていることが判明した。
令4修1/令2修7/平29秋】 プロジェクトで発生した課題の傾向を分析するために,ステークホルダ,コスト,スケジュール,品質などの管理項目別の課題件数を棒グラフとして件数が多い順に並べ,この順で累積した課題件数を折れ線グラフとして重ね合わせた図を作成した。
令2修6/平30修7/平26修12/平24春】 パレート図を説明したものはどれか。
平28修1/平26修6】 パレート図を説明したものはどれか。
平21秋】 システムの品質を向上させるために,発生した障害の原因についてパレート図を用いて分析した。分析結果から分かることはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。