読み方 : ちょうわへいきん
調和平均【harmonic mean】subcontrary mean

調和平均の計算手順は次の通りである。まず、各値の逆数(1をその値で割ったもの)を求め、それらを合計して個数で割る。最後にその結果の逆数を取ったものが調和平均となる。
例えば、{20,30} という2つの値の調和平均は、 で24となる。一般に、n個の値 x₁、x₂、…、xₙ の調和平均Hは、H = n ÷ (1/x₁ + 1/x₂ + … + 1/xₙ) と表される。
調和平均は、同じ量を異なる速度や割合で処理した場合の代表値を求める際に適している。例えば、同じ距離を往路は時速20km、復路は時速30kmで移動した場合、全体の平均速度は (20+30)÷2 = 25km/h ではなく、調和平均による24km/hとなる。往路と復路でかかる時間が異なるため、算術平均では実態を正しく表せない。
情報検索や機械学習の分野では、モデルの性能評価指標である「F値」の算出に調和平均が用いられる。F値は、予測の正確さを表す「適合率」と、見落としの少なさを表す「再現率」の調和平均として定義され、両者をバランスよく統合した指標となる。
代表的な平均値である「算術平均」(相加平均)、「幾何平均」(相乗平均)、「調和平均」の三つは「ピタゴラス平均」とまとめて呼ばれることもある。同じデータに対して計算すると、一般に、算術平均 ≧ 幾何平均 ≧ 調和平均 という大小関係が成り立ち、すべての値が等しい場合にのみ三者は同じ値になる。なお、調和平均は計算に逆数を用いるため、対象の値に0を含めることはできない。
(2026.7.1更新)