読み方 : だいにしゅのあやまり
第2種の誤り【type II error】第二種過誤
概要
第2種の誤りとは、統計的仮説検定において、帰無仮説が実際には偽であるにも関わらず誤って採択してしまう過誤のこと。主張が成立しているのに「成立していない」と結論付けてしまう過ちを指す。

統計的仮説検定では、証明したい主張の否定を「帰無仮説」として設定し、その逆の内容(本来主張したい内容)を「対立仮説」とする。データの分析によって帰無仮説が棄却されれば、対立仮説の成立が支持される。
第2種の誤りは、対立仮説が実際には正しいのに、検定の結果として帰無仮説を棄却できなかった場合に生じる。例えば、「新薬に効果がある」ことを示したい試験において、実際には薬効があるにもかかわらず「効果がない」という帰無仮説を棄却できず、誤って「効果がない」と結論づけてしまう状況がこれに当たる。
第2種の誤りを犯す確率は慣例的に「β」(ベータ)という変数で表される。(1-β)は「検出力」と呼ばれ、実際に存在する効果や差を正しく検出できる確率を意味する。第2種の誤りはサンプルサイズが小さい場合や、効果の大きさに比べてデータのばらつきが大きい場合に生じやすく、標本数を増やすことで低減できる。
一方、帰無仮説が真であるのに誤って棄却してしまう過誤を「第1種の誤り」といい、その発生確率は有意水準「α」(アルファ)で管理される。αを小さくして第1種の誤りを抑えようとすると、βが大きくなり第2種の誤りが増えるというトレードオフの関係にある。スパムフィルタを例にすると、正常なメールをスパムと誤判定するのが第1種の誤り、スパムを正常と誤判定するのが第2種の誤りに相当する。どちらの誤りをどの程度許容するかは、対象とする問題の性質や誤りが生じた際の影響の大きさに応じて設定される。