読み方 : しすうへいかつほう

指数平滑法【exponential smoothing】

指数平滑法とは?

時系列の過去データから将来を予測する計算手法の一つで、古いデータほど指数的に小さくなる係数を掛けて加重平均を算出する方式。直近のデータを重視しながら効率よく予測値を導き出せることから、需要予測や在庫管理などで用いられている。
指数平滑法のイメージ画像

過去データから将来を予測する手法として、直近の複数データの平均を用いる「移動平均法」がある。しかし、単純な平均はすべての期間を等しく扱うため、古い情報が新しい情報と同じ重みで反映されてしまう。指数平滑法では、データが古くなるほど寄与度が指数関数的に急減する係数を用いる。一般的な加重平均法の係数が時間に対して線形に減衰するのに対し、より急峻に小さくなる点が異なる。

計算には、事前に決定した「平滑化係数」(α)というパラメータを用いる。αは0から1の間の値をとり、「新しい予測値 = α×最新の実績値+(1-α)×前回の予測値」という式で繰り返し計算する。αが1に近いほど直近の実績に敏感に反応し、0に近いほど過去の傾向を重視した安定的な予測になる。前回の予測値と直近の実績値さえあれば次の予測が出せるため、全期間のデータを保持し続ける必要がなく、計算コストが低い。

この基本形は「単純指数平滑法」と呼ばれ、トレンドや季節変動が少ないデータに適している。一方、長期的な増減傾向(トレンド)が見られるデータには、水準とトレンドを同時に扱う「二重指数平滑法」(ホルト法)が用いられる。さらに、月別売上や電力消費のように季節による周期的変動を含む場合は、水準・トレンド・季節性の三要素を組み込んだ「三重指数平滑法」(ホルト・ウィンタース法)が適している。

αの値は分析者が設定するか、過去データへの当てはまりが最も良くなるよう最適化して決める。設定次第で予測精度が大きく変わるため、データの性質を十分に観察した上での調整が必要である。また、突発的な社会変化や災害など過去の傾向では説明できない事象には対応しにくい弱点もある。表計算ソフトや統計ソフトに標準搭載されており、理解しやすく実装も容易な時系列予測の基本手法である。

(2026.5.8更新)

他の辞典等による「指数平滑法」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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