読み方 : にじょうへいきんへいほうこん
二乗平均平方根【RMS】Root Mean Square
概要
二乗平均平方根とは、複数の数値から平均的な大きさを求める手法の一つで、各値を二乗した算術平均の平方根を取ったもの。電気や音波などの波動現象の強度を表す指標として用いられ、誤差や雑音の評価にも応用される。

n個のデータがあるとき、各値を二乗して合計し、データの個数nで割って平均を求める。この平均値の平方根を取ったものが二乗平均平方根となる。二乗してから平方根を取るため、結果は元のデータと同じ次元、単位で表される。算術平均とは異なる性質を持つ計算手法である。
算術平均は正負の値が相殺されてしまう場合があるが、二乗平均平方根は各値を二乗するため符号の影響を受けない。このため、時間とともに正負が入れ替わる交流電圧や音波、振動などの大きさを評価するのに適している。絶対値が極端に大きい値の影響を受けやすいという特徴もある。
物理学や電気工学、音響工学などの分野では、周期的に強度が変化する波動現象を扱う際に、振幅の平均的な大きさを表す指標として用いられる。家庭用電源の交流100Vは、電圧の二乗平均平方根が100Vとなる交流電流を指し、実際の電圧は約141.4Vから約-141.4Vの範囲を周期的に上下しながら変化している。この最大値はピーク値と呼ばれ、二乗平均平方根の値はピーク値のおよそ0.707倍(1/√2倍)の関係になる。この交流が抵抗に与える発熱効果は、100Vの直流電圧を加えた場合と等しくなるため、実用上は二乗平均平方根による値が広く用いられている。
IT分野では、音声データの信号強度の算出や画像処理におけるノイズの評価に二乗平均平方根が用いられることがある。機械学習では予測値と実測値の差を評価する指標として「二乗平均平方根誤差」(RMSE:Root Mean Squared Error)が計算に使われており、モデルの精度を数値で示す際の基準の一つとなっている。ハードウェアの処理では、掛け算と足し算を同時に行う積和演算回路を用いることで高速に算出でき、GPUによる処理に向いている。
(2026.6.28更新)