読み方 : じんこうちのう
人工知能 【AI】 Artificial Intelligence
概要
人工知能(AI)とは、人間にしかできなかったような高度に知的な作業や判断をコンピュータを中心とする人工的なシステムにより行えるようにしたもの。解説 人類は未だに人間の脳の振る舞いや知能の仕組みを完全には解明していないため、人工知能にも明快な定義は与えられていない。また、情報技術の進歩に伴って時代によって人工知能とされるシステムの具体的な内容は大きく変化してきている。
特に、前の時代に人工知能の一分野として研究・開発が進められていたものが、技術が成熟し実用化や普及が進むと人工知能とは呼ばれなくなり、より高度で研究途上のものが新たに人工知能として注目される傾向がある。この現象は「AI効果」と呼ばれ、例として文字認識技術(OCR)や検索エンジン、かな漢字変換システム、ロボット掃除機などが挙げられる。
2000年代後半以降に人工知能とされるものは、大量のデータから規則性やルールなどを学習し、与えられた課題に対して推論や回答、情報の合成などを行う機械学習(ML:Machine Learning)を基礎とするものが主流となっている。
特に、人間の神経回路を模したニューラルネットワーク(NN:Neural Network)で深い階層のモデルを構築し、精度の高い推論を行うディープラーニング(深層学習)研究に大きな進展があり、これに基づく研究や開発が盛んになっている。
応用分野として、チェスや将棋、将棋など知的なゲームで対局するシステム、画像や映像に映る物体や人物を識別する画像認識システム(コンピュータビジョン)、人間の発話を聞き取って内容を理解する音声認識システム、言葉を組み立てて声として発する音声合成システム、ロボットや自動車など機械の高度で自律的な制御システム(自動運転など)、自動要約や質問応答システム、高度で自然な機械翻訳といった様々な自然言語処理などがよく知られる。
(2018.7.31更新)
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資格試験などの「人工知能」の出題履歴
▼ ITパスポート試験
【令7 問54】 あるコールセンターでは,顧客からの電話による問合せに対応するオペレーターを支援するシステムに,顧客とオペレーターの会話の音声を認識し,顧客の問合せに対する回答の候補をオペレーターのPCの画面に表示するAIを導入した。
【令6 問28】 次の事例のうち、AIを導入することによって業務の作業効率が向上したものだけを全て挙げたものはどれか。a 食品専門商社のA社が、取引先ごとに様式が異なる手書きの請求書に記載された文字を自動で読み取ってデータ化することによって、事務作業時間を削減した。
【令5 問14】 AIの活用領域の一つである自然言語処理が利用されている事例として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。a Webサイト上で、日本語の文章を入力すると即座に他言語に翻訳される。
【令5 問16】 コールセンターにおける電話応対業務において、AIを活用し、より有効なFAQシステムを実現する事例として、最も適切なものはどれか。
【令2秋 問4】 コンビニエンスストアを全国にチェーン展開するA社では、過去10年間にわたる各店舗の詳細な販売データが本部に蓄積されている。
【令2秋 問22】 AIの活用領域には音声認識、画像認識、自然言語処理などがある。音声認識と自然言語処理の両方が利用されているシステムの事例として、最も適切なものはどれか。
【令2秋 問32】 ある会社のECサイトでは、利用者からのチャットでの多様な問合せについて、オペレータが対応する仕組みから、ソフトウェアによる自動対応に変更した。
【令1秋 問22】 人工知能の活用事例として、最も適切なものはどれか。
【平31春 問23】 プロの棋士に勝利するまでに将棋ソフトウェアの能力が向上した。この将棋ソフトウェアの能力向上の中核となった技術として、最も適切なものはどれか。