移動平均法 【moving average method】

概要

移動平均法(moving average method)とは、過去のデータから将来の値を予測する手法の一つで、直近の幾つかの値を平均し、これを予測値とする方式。経済指標の予測や企業の需要予測、生産計画の策定などに用いられる。

例えば、先月までの販売実績がわかっている時に、先月、先々月、3ヶ月前の値の算術平均を算出し、これを今月の販売量の予測値とする。どのくらい過去に遡って平均を算出するか定まった方法はなく、データの特性などから区間を決定する必要がある。

また、会計の分野では、仕入れた品物(棚卸資産)の単価などを算出する際に、当該物品を購入するたびにその時点の購入金額の合計を購入数量の合計で割って平均単価とする方式を移動平均法という。購入機会ごとに単価が変動する相場商品などの単価を決定する際によく用いられる。

一定期間ごとに平均額を算出する総平均法とは異なり、仕入れごとに平均単価を算出し直すため、計算の手間は増すが常に最新の評価額を把握することが可能となる。会計システムや在庫管理システムなどには移動平均法を適用する機能があらかじめ内蔵されていることが多く、金額と数量を適切に入力・記録していれば自動的に算出される。

(2022.4.4更新)

試験出題履歴

ITパスポート試験 : 平29春 問32 平24秋 問29
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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