尺度水準 【level of measurement】 scale of measurement
1946年に米心理学者スタンレー・スティーブンズ(Stanley S. Stevens)が提唱した、「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比例尺度」の4段階に分類する考え方が広く普及している。名義、順序、間隔、比例の順に水準が高くなり、高い水準の尺度は自身より低い水準の尺度を兼ねることができる。
名義尺度
「名義尺度」あるいは「類別尺度」は、対象や状態を区別するためだけに(便宜上の)数字を割り当てたもので、値が同じか異なるかしか評価することができない。順序や大きさ、比率などに意味はなく、計算もできない。例えば、電話番号の国番号は米国が1、日本が81だが、日本が何かの大きさで81位であるとか、何かが米国の81倍であるというわけではない。
順序尺度
「順序尺度」は、数字の大小が順序を表すような尺度である。大きさを比較したり順位を付けることができるが、他の値との差や比率には意味がなく、計算はできない。競技の順位、成績やアンケートなどの5段階評価、検定制度の段位や級などが該当する。「徒競走1位は2位より速かった」とは言えるが、「2倍速い」といった比較はできない。
間隔尺度
「間隔尺度」は、数字が順序を表すとともに間隔に意味があるような尺度である。値の差が等しければ同じ間隔が空いていることを意味するが、「0」で表される点は便宜上置いたもので、値の比には意味がない。例えば、気温5℃が15℃になるのと15℃が25℃になるのは同じ幅だけ上昇したと言えるが、15℃は5℃の3倍の温度やエネルギーであるとは言えない。
比例尺度
「比例尺度」あるいは「比率尺度」は、数字が順序や間隔を表すともに、「0」に原点としての意味があり、値の比や割合も議論することができる尺度である。長さ、重さ、広さ、時間、速度、絶対温度などの物理量、金額などが該当する。最も高い尺度水準であり、他の3つの尺度を兼ねることができる。