移動平均 【moving average】
概要
移動平均(moving average)とは、時系列に並んだ数値データを平滑化する手法の一つで、ある時点の値を、その値を含む一定期間の平均値で置き換える方式。長期的な推移を分かりやすく表示できるようになる。例えば、月次データを3か月移動平均で表す場合、4月のデータは2月、3月、4月の3か月分のデータの平均値とし、5月は3~5月の、6月は4~6月の平均といった具合に、枠を移動しながらそれぞれ直近の一定期間の平均を取っていく。
これにより、短期的に生じる大きな変動やノイズ、外れ値などの影響を均し、データの長期的な推移や傾向を明らかにすることができる。これを応用し、直近の過去のデータの平均から将来値の予測を行う手法を「移動平均法」という。
単純/加重/指数
単に移動平均という場合は各データの単純平均を取る「単純移動平均」(simple moving average)を指すが、時間の経過に応じて過去のデータの影響を割り引くように係数を掛け合わせて平均する手法を「加重移動平均」(weighted moving average)という。さらに、係数が経過時間に対して指数関数的に減少していくよう調整する手法を「指数移動平均」(exponential moving average)という。
後方/中央/前方
平均を取る区間について、当該データを先頭に過去のデータのみを組み合わせる手法を「後方移動平均」、当該データを中心に過去と未来を同じ期間ずつ組み合わせる手法を「中央移動平均」、当該データを末尾に未来のデータのみを組み合わせる手法を「前方移動平均」という。
現在(直近)のデータを扱う場合は未来のデータが未定のため後方移動平均を用いるのが一般的だが、過去のデータの分析などでは中央移動平均や前方移動平均を用いたり、これらを併用したり比較することもある。
(2023.11.29更新)