交絡因子 【confounding factor】 confounder / 交絡変数 / confounding variable / 潜伏変数 / lurking variable
概要
交絡因子(confounding factor)とは、2つの事象の間に相関関係が見られるとき、その両方に相関する外部の別の因子のこと。その因子を介して両者の間に生じる見かけ上の相関を「擬似相関」という。2つの事象AとBの傾向に相関が認められる場合、両者に因果関係があり、原因Aによって結果Bが生じている、あるいはその逆であることが疑われる。しかし、AにもBにも影響する共通の別の要因Xが存在する場合がある。このXを交絡因子という。
統計モデルにおける変数としては「交絡変数」あるいは「潜伏変数」と呼び、そのような因子が存在する状況を「交絡」という。また、XがAとBの共通の原因であり、Xを介してAとBが相関している状態を「擬似相関」という。
例えば、月ごとのリップクリームの売上と火災の発生件数に強い相関が認められたとして、リップクリームが火災の原因になったり、火災がリップクリーム購入の動機になっているのかというと、そうではなく、「季節による湿度の変動」という共通の原因によって両者に同じ傾向の変動が起こっている。このとき「湿度」が交絡因子であり、リップクリームと火災は互いに因果関係にない擬似相関となっている。
(2024.5.20更新)