MTP 【Media Transfer Protocol】 メディア転送プロトコル
概要
MTP(Media Transfer Protocol)とは、パソコンとスマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーなどをUSBケーブルで結んで音声や動画などのメディアファイルを転送するプロトコルの一つ。パソコンとデジタルカメラなどの間で画像を転送するPTPを元に、Microsoft社がWindows Media技術の一環として開発したプロトコルである。2008年5月にUSB-IF(USB Implementers Forum)によってUSBデバイスクラスの一つとして承認され、現在ではWindows以外の環境でも広く用いられている。
USBによるデータ転送には「USB Mass Storage Class」(MSC)がよく使われるが、これはUSBメモリやメモリーカードなど記憶装置を扱うためのものであり、パソコンのオペレーティングシステム(OS)がUSB装置のファイルシステムを直接操作するようになっている。
USB装置側が自律的に動作して内容を書き換える可能性を考慮していないため、スマートフォンのようにそれ自体が一つのコンピュータであるような装置を繋いだ場合、パソコン側からの操作と装置自身の操作がかち合って不具合が生じる可能性があった。
MTPでは装置側のファイルシステムを管理するのは装置側で動作しているOSであり、パソコンからは装置側のシステムにファイル単位で送受信を依頼する形となるため、操作が競合する問題は生じない。
Android系の機種を中心に、スマートフォンやタブレット端末などの中にはパソコンとのUSB接続時の動作モードをMTPとMSCで切り替えることができるものもある。MTP接続時にはSDカードなどをアンマウントしなくて良いという利点があるが、パソコン側からファイルシステムにアクセスできないため、ファイルの一覧などを表示したときに限定的な情報しか得られない欠点もある。
(2018.8.11更新)