拡張スロット 【extension slot】 expansion slot

概要

拡張スロット(extension slot)とは、コンピュータの主基板(マザーボード)などに設けられた、機能拡張のための小さな電子基板(拡張カード)を差し込むための細長い接続端子。

拡張カードにはグラフィックやサウンドなど特定の機能を持ったICチップなどが実装されており、コンピュータに機能を追加したり性能を増強することができる。拡張スロットは本体側に設けられた差込口(コネクタ)で、小さな金属端子が一列に並んだ溝のような形になっており、カードを強く押し込んで固定する。

本体背面には各スロットに対応する位置に小さな切れ込みがあり、カードの側面の一つが露出するようになっている。外部の入出力が必要なカードはここに端子類を配置する。

拡張スロットのコネクタ形状にはいくつかの規格があり、コンピュータ内部のデータ伝送方式などによって異なっている。一般的なパソコン製品の場合、古くはISAバス事実上の標準だったが、今世紀に入ってPCIバスに取って代わられ、現在ではさらに後継のPCI Expressが普及している。ビデオカード専用のAGPバスのように、特定の種類のカードのみに対応した拡張スロットが用いられることもある。

かつては利用者がコンピュータに必要とする機能を選んで個別にカードを揃えるスタイルが一般的だったため、拡張スロットの数がコンピュータの性能や機能を大きく左右したが、現在では主基板側のチップに基本的な機能は一通り揃っていることがほとんどとなり、特別な高性能や特殊な機能が必要な場合以外には使われない。

(2018.3.13更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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