ファイル名 【file name】 ファイルネーム
一般にストレージ装置の内部はオペレーティングシステム(OS)のファイルシステムが管理しており、データをまとめたファイル、複数のファイルを入れることができるディレクトリ(あるいはフォルダ)という単位でデータを管理する。
ファイルを新しく作成する場合には必ず名前を付ける必要があり、これをファイル名という。同じディレクトリには同じファイル名のファイルを複数作成することはできない。ファイル名は後から変更することができる。
使用できる文字
ファイル名に使用可能な文字の種類や文字数の上限などはOSやファイルシステムごとに異なっている。LinuxなどのUNIX系OSではシステム上の文字の制約は少なく、パスの区切り文字である「/」(スラッシュ)および制御文字の0番(\0)が使用できない。
Windowsはこれに加えて「¥」(日本では半角円マーク、日本以外ではバックスラッシュ)や空白文字(スペース)、「?」「*」「:」「|」「<」「>」「&」「"」などが使えない。また、歴史的な経緯から「CON」「PRN」「AUX」など単体でファイル名とすることができない特殊な文字列が存在する。
アルファベットの大文字と小文字の区別もシステムによって異なり、UNIX系OSでは両方とも使用でき区別されるが、Windowsでは作成時に大文字と小文字の別は反映されるが指定時の区別は無い(同一視される)。Windowsの前身のMS-DOSやCD-ROMのISO 9660形式のように大文字しか使用できない場合もある。
拡張子
ファイル名の末尾には「.」に続けてファイルの種類やデータ形式を示す短い英数字の符号を付ける慣習があり、これを「拡張子」(file extension)という。Windowsではファイルアイコンをダブルクリックした際に自動的に起動するアプリケーションの指定など、システム上の機能としても活用されている。
拡張子はデータ形式やファイル形式の規格や各ソフトウェアごとに定めているものと、、慣習として広く普及しているものがある。例えば、Windowsでは「.exe」が実行可能ファイル、「.dll」が動的リンクライブラリなどと決まっている。
特定のアプリケーションソフトに紐付いた拡張子の例としては、Microsoft Wordの「.xlsx」やMicrosoft Excelの「.xlsx」などが、特定のデータ形式に紐付いた拡張子の例としてはJPEG画像ファイルの「.jpg」やMP3音声ファイルの「.mp3」、Zip圧縮ファイルの「.zip」などが、汎用的な拡張子の例としては、プレーンテキスト形式の「.txt」、コンマ区切りデータファイルの「.csv」などが挙げられる。
パス
ディレクトリにも同じように名前をつけることができ、これをディレクトリ名という。コンピュータ上でファイルやディレクトリの所在を一意に指し示す表現を「パス」(path)と呼び、現在位置あるいはファイルシステム最上位からの目的の場所までのディレクトリ名を連結した形となる。例えば、Windows上で「C」ドライブの「Windows」ディレクトリの「explorer.exe」ファイルを指し示すパス表記は「C:¥Windows¥explorer.exe」となる。