ジャーナリングファイルシステム 【journaling file system】

概要

ジャーナリングファイルシステム(journaling file system)とは、ファイルシステムの種類の一つで、管理領域を変更する際にジャーナルあるいはログと呼ばれる更新履歴を残すことで管理領域の破損を防ぐ機能を持ったもの。

通常のファイルシステムでは、ファイルを書き込んだり書き換えたりする際、ファイルシステムの管理領域(メタデータ)の内容を変更している最中に不意の電源断などのトラブルが生じると、管理領域の内容に矛盾が生じ、データへの参照が失われたり、復旧に膨大な時間がかかる場合がある。

ジャーナリングファイルシステムではいきなり管理情報(メタデータ)を書き換えるのではなく、一旦これから行う変更をジャーナルと呼ばれる特殊な領域に時系列で保存し、それから管理情報の書き換えを行う。操作中に障害が発生しても、ジャーナルの内容を参照すれば即座に変更の破棄あるいは復旧を行うことができ、管理領域の一貫性を保ちつづけることができる。

データベース管理システム(DBMS)のトランザクション処理などに類似しているが、あくまで管理領域のみを保護する機構であり、ファイルの内容(データ本体)の保全は行わないため、データの喪失を防ぐには他の仕組みを併用する必要がある。

ジャーナリング機能を持つファイルシステムとしてはext3ext4XFSZFS、ReiserFS、NTFSなどがよく知られ、高い信頼性が求められるサーバ用途などで利用される。

(2018.9.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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