物理フォーマット 【ローレベルフォーマット】 low level format / 低レベルフォーマット
概要
物理フォーマット(ローレベルフォーマット)とは、外部記憶装置(ストレージ)の記憶媒体(メディア)を使用可能にするための処理の一つで、媒体上の記憶素子の列に特定のパターンを書き込み、読み書き可能な初期状態を形成すること。媒体の製造後、使用開始の前に少なくとも一度は行わなければならない工程で、端から端まで全領域に渡って情報を書き込む(使用済みの場合は書き直す)ため膨大な時間がかかる。完了後は記録されていたすべての信号が不可逆に消去され、もとに戻すことはできない。
一方、物理フォーマット済みの媒体上にパーティションなどの区画を作成し、ファイルシステムが使用する管理用データや実際に記録されるデータの論理的な位置を設定する処理のことを「論理フォーマット」(logical format)という。
通常、一度物理フォーマットした媒体は異なる機種やオペレーティングシステム(OS)、ファイルシステムで利用する場合も論理フォーマットのみをやり直すだけでよく、再度物理フォーマットし直す機会はほとんどない。媒体上の信号を完全に消去する目的で、使用済みのストレージ装置に物理フォーマットを行うことはある。
過去にはフロッピーディスクやMO(光磁気ディスク)など利用者がメディアを購入後に自ら物理フォーマットするのが一般的な製品も多かったが、現在では物理フォーマット済みの媒体を出荷するのが一般的となり、利用者側で物理フォーマットを行うこと自体がほとんどなくなった。近年のハードディスク装置では製造時にのみ行われ、利用者側ではできないようになっている。
(2024.9.1更新)