アプリケーションプロセッサ 【application processor】

概要

アプリケーションプロセッサ(application processor)とは、スマートフォンタブレット端末などに内蔵されているマイクロプロセッサの一つで、コンピュータ機能のCPUとしてオペレーティングシステム(OS)やアプリの実行を担当するもの。無線通信処理を担当するベースバンドプロセッサと役割と分担している。

スマートフォンなどのモバイル端末は、通信事業者の移動体通信ネットワークに接続してモバイル通信を行う携帯電話、無線通信端末としての側面と、液晶画面でアプリを操作することができる携帯コンピュータとしての側面がある。

このうち、コンピュータ部分の中心部として、プログラムを実行するのがアプリケーションプロセッサである。パソコンやサーバなどのCPUに相当し、OSやアプリを実行することができる。部品点数や消費電力を抑えるため、グラフィック処理(GPU)やメモリコントローラ、外部インターフェースなどの機能を統合したSoC(System on a Chip)として設計されている製品が多い。

Android端末のアプリケーションプロセッサは英アーム(ARM)社の仕様に基づいて設計された製品が多く、米クアルコム(Qualcomm)社の「Snapdragonスナップドラゴン」シリーズや台メディアテック(MediaTek)社の「Helioヘリオ」シリーズや「Dimensityディメンシティ」シリーズ、韓サムスンの「Exynosエクシノス」シリーズなどがよく知られる。米アップル(Apple)社のiPhone/iPadには自社開発のApple Aシリーズが用いられている。

一方、無線通信の制御を行う機能を担うプロセッサを「ベースバンドプロセッサ」(baseband processor)という。本体内に内蔵されたファームウェアと呼ばれる特殊なソフトウェアを実行し、LTELTE-Advanced、5Gといった規格に応じた通信制御を行って基地局と交信する。

(2023.7.21更新)

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