ファクトリーリセット 【factory reset】 マスターリセット / master reset

概要

ファクトリーリセット(factory reset)とは、機器の設定や状態を初期化する方式の一つで、工場出荷時、すなわち新品購入直後の状態に戻すこと。

コンピュータ製品や通信機器など、複雑な設定や内部状態を記憶している電子機器などに備えられている初期化機能で、使用開始後に行われた設定などの変更をすべて取り消し、製造直後の初期状態に戻す。ファームウェアなどが更新・修正されている場合も出荷当時の古いバージョンで上書きされる。

スマートフォンなどのコンピュータ応用製品の場合、利用者が使用開始後に保存したデータや導入したアプリケーションなども記憶装置から消去される。メーカーによって出荷時に導入済みのアプリケーションなどがある場合は、削除はされないが初回起動時の状態に戻る。

ファクトリーリセットはファームウェア更新などに問題があり機器が起動できなくなった場合や、設定変更に起因する問題が生じているが元の設定値が分からず戻せなくなってしまった場合、機器の売却や譲渡のため利用時の情報を消去したい場合などに行われる。ソフトウェア上の操作で可能な場合もあるが、起動不能になった場合に備え専用のスイッチなどが用意されている機器もある。

(2023.7.16更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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