サーバ室 【サーバルーム】 server room
概要
サーバ室(サーバルーム)とは、組織内の情報システムの運用のために大量のサーバコンピュータや関連機器を設置する専用の部屋。一棟全体がサーバ室になっている施設は「データセンター」(data center)という。企業などの情報システムでは、利用者が直に操作するパソコンや携帯機器などの端末(クライアント)の他に、データの集中管理やソフトウェアの提供などのために「サーバ」(server)と呼ばれる大型、高性能のコンピュータが導入されることが多い。
サーバ室はサーバを運用するための部屋で、オフィスの一室などを利用してサーバラックなどの什器を並べ、サーバやネットワーク機器、ストレージ機器、配線などを集中的に設置する。他の部屋や施設とは構内ネットワーク(LAN)や広域回線で接続され、端末からの処理依頼を受け付ける。
従業員が常駐して働くスペースや操作用の端末は設置されないのが一般的だが、システム部門の管理要員や外部の業者のサポート要員などがシステムの管理や保守作業のために必要な機材が用意されることはある。サーバ機にも一般的なパソコンようにディスプレイ(モニタ)やキーボードなどは一台ごとには付属せず、少数の入出力装置をKVMスイッチなどで切り替えて接続することが多い。
大量の電子機器を設置するため大きな電力が必要で、一般的なオフィス居室用の電源容量では対応できず、電気工事が必要になることもある。排熱も膨大で熱がこもると機器の温度が上昇して故障の原因となるため、サーバ室用の空調設備を導入して24時間365日連続運転し効率的に熱を取り除かなければならない。
システムによっては機密情報などの重要なデータ、停止すると業務が滞る重要な機器やソフトウェアを取り扱うことがあるため、通常の居室より厳重なセキュリティで侵入や不正操作を防ぐことが多い。コンピュータ上のセキュリティ施策だけでなく、正規の権限を持った管理要員しか入室できない入退室ゲート、監視カメラや警報装置の設置、窓の撤去など物理セキュリティ対策も必要となる。