片系
概要

「片系」(かたけい)とは、障害や保守作業に備えて二重化された機器、回線、サーバ、システムなどにおいて、いずれか一方の系統を指す言葉である。対になるもう一方の系統と合わせた全体、またはすべての系統が揃っている状態は「両系」(りょうけい)と呼ばれる。
機器や回線などが故障や誤操作、災害などにより停止した場合に備え、同じ性能や構成を持つ予備の系統をもう一つ用意し、いずれかが停止しても他方が処理を引き継げるようにすることを「二重化」という。三系統以上を用意する場合を含む一般的な呼称は「多重化」または「冗長化」である。
二重化構成のうち、両系を普段から同時に稼働させ負荷分散と信頼性向上を両立させる方式を「アクティブ/アクティブ構成」という。この構成において、障害や保守作業により一方の系統が停止し、残る片系のみで全業務を処理している状態を「片系運用」と呼ぶ。この間はシステム全体の処理能力が低下し冗長性も失われているため、速やかに停止中の系統を復旧させ、両系が稼働する状態(両系運用)に戻すことが求められる。
もう一つの方式は「アクティブ/スタンバイ構成」で、普段は一方の系統(稼働系・主系)のみで運用を行い、もう一方の系統(待機系・予備系)は停止または待機状態としておく。稼働系に障害が発生すると、待機系が自動的に処理を引き継ぐ切り替え(フェイルオーバー)が行われる。この構成では通常時から片系で運用されるため、「片系」という語が必ずしも異常状態のみを意味するわけではない。
アクティブ/スタンバイ構成では、稼働系と待機系の間で常に互いの状態を確認する通信が行われている。この通信が何らかの原因で分断されると、待機系が稼働系の停止を誤って検知し、自らも稼働を開始してしまうことがある。その結果、本来は片系のみが稼働すべき状況で両系が同時に処理を行う競合状態が生じる。これを「スプリットブレイン」(split-brain)という。