ワンアーム構成 【one-armed load balancer】

概要

ワンアーム構成(one-armed load balancer)とは、ロードバランサの配置方法の一つで、クライアントとサーバの通信経路から枝分かれする形でロードバランサを横付けする方式。

サーバの接続されたネットワークスイッチなどの別のポートにロードバランサを接続するといった構成となる。クライアントからは一旦ロードバランサへ宛てて通信が行われ、これをサーバに割り振って応答させる。

サーバは物理的にはクライアントと直接通信できるが、ロードバランサ経由で届いた要求に直に応答を返すとロードバランサTCPセッションの状態が矛盾してしまう。このため、サーバへの転送時にSNATソースNAT)で送信元IPアドレスをロードバランサのものに書き換えるなどして、応答もロードバランサを経由するよう設定する。

ただし、一部のネットワーク機器メーカーではDSRDirect Server Return)技術などを利用して、応答をサーバからダイレクトにクライアントへ返す(行きと帰りの経路が異なる)構成もサポートしている。

一方、クライアントとサーバの通信経路の途中に設置し、物理的にすべての通信を経由するようにした配置は「インライン構成」と呼ばれる。

(2020.11.19更新)