読み方 : ワンアームこうせい
ワンアーム構成【one-armed load balancer】
ワンアーム構成とは?

クライアントとサーバが通信する際の経路上には設置せず、サーバが接続されたネットワークスイッチの別ポートなどにロードバランサを繋ぐ。クライアントからのリクエストはロードバランサへ送られ、そこから各サーバへ振り分けられる。
サーバはネットワーク上でクライアントと直接通信できる位置にあるため、そのまま応答を返すとロードバランサが管理するTCPセッションの状態に矛盾が生じる。これを防ぐため、ロードバランサがサーバへ転送する際に「SNAT」(Source NAT)処理で送信元IPアドレスを自身のアドレスに書き換え、サーバからの応答も必ずロードバランサを経由するよう誘導する。
一部の機器では「DSR」(Direct Server Return)を組み合わせた構成もサポートされており、この場合はリクエストの転送はロードバランサが行う一方、応答はサーバからクライアントへ直接返される。行きと帰りで経路が異なる非対称ルーティングとなるが、応答データの大きいWeb配信などの環境ではロードバランサの帯域や処理負荷を軽減できる。
対比される構成として、クライアントとサーバの経路上にロードバランサを物理的に割り込ませ、すべての通信を経由させる「インライン構成」がある。インライン構成は経路管理がシンプルである反面、ロードバランサが単一障害点(SPOF)になりやすい。ワンアーム構成は既存のネットワーク構成をほとんど変更せずにスイッチのポートを一つ占有するだけで導入でき、保守やトラブル時の切り離しも柔軟に行える。
(2026.6.24更新)