FTサーバ 【Fault Tolerant server】 無停止型サーバ / フォールトトレラントサーバ

概要

FTサーバ(Fault Tolerant server)とは、企業の情報システムなどで使われるサーバコンピュータ製品のうち、すべての部品を二重化し、いずれかに障害が起きても全体が停止しないよう設計されたもの。

CPUメモリストレージ電源ユニットなどすべての装置を二系統備え、常にまったく同じ処理をさせながら稼働する。いずれかの部品に問題が発生して停止した場合、残った片方で処理を続行し、その間に新しい部品と交換することができる。どの部品もシステム全体を停止せずに着脱可能な構造となっている。

実際の製品では、二台のコンピュータが一組になったような構造となっており、両方に組み込まれた特殊な通信・制御用のICチップ通信し、処理内容を同期している。ハードディスクなどのストレージRAID 1ミラーリング)構成となっている場合が多く、常に同じ内容が記録され、一方が交換されると自動的にもう片方から内容が複製される。

複数の独立したコンピュータを連結して一つのシステムを構成するクラスタリングクラスタ構成)とよく比較されるが、FTサーバはOSアプリケーションソフトからは一台のコンピュータのように見えるため、ソフトウェア側に特別な対応が不要で、常に処理が同期しているため障害発生時の切り替え時間も生じない。

廉価なFTサーバ製品も用意されており、コンピュータ単体で信頼性を高められ、導入や運用も比較的容易であるため、小規模システムで手軽に信頼性を向上させる手段として人気が高い。

(2018.12.13更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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