読み方 : ティーシーピーオフロードエンジン

TCPオフロードエンジン【TOE】TCP Offload Engine

概要

TCPオフロードエンジンとは、コンピュータネットワークインターフェースNIC)の持つ機能の一つで、TCP/IPによる接続・通信に関わる処理のほとんどをCPUから肩代わりして実行するもの。また、そのような処理を行う専用のICチップなどのこと。大量の通信を捌かなければならないサーバコンピュータで採用される。
TCPオフロードエンジンのイメージ画像

通常の構成ではNICは物理的な接続・伝送を担う第2層(リンク層)までの処理を担当し、IPInternet Protocol)やTCPTransmission Control Protocol)など上位層の処理はCPUが実行するソフトウェアによって行われる。

TCPオフロードエンジンはこれらの処理を行う機能を専用の半導体チップに実装し、CPUに代わって実行する。CPUの処理負荷を軽減して他の処理の実行に専念することができるほか、PCI ExpressなどCPUNICを結ぶバスの通信を削減してI/O性能を向上させる効果も期待できる。

通常、単にTCPオフロードエンジンという場合はTCPに関連する処理のすべてを行う「フルTCPオフロードエンジン」を指す。一方、TCPチェックサム計算を代行するものは「TCO」(TCPチェックサムオフロード)、TCPパケットの分割・組み立て(セグメンテーション)処理を代行するものは「TSO」(TCPセグメンテーションオフロード)あるいは「LSO」(Large Send Offloading)という。

(2019.6.4更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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