DSR 【Direct Server Return】

概要

DSR(Direct Server Return)とは、ワンアーム構成ロードバランサで、サーバからクライアントへの返信はロードバランサを通さず直接送信させる方式。

ロードバランサはクライアントからサーバへのアクセスを仲介し、複数のサーバにアクセスを振り分けることで負荷を分散する。ワンアーム構成とはルータからロードバランサとサーバがそれぞれ個別に接続されている形態を指す。

通常の接続方式では往路も復路もロードバランサを経由するため、一往復の通信は「クライアント→ロードバランサ→サーバ→ロードバランサ→クライアント」という経路をたどるが、DSRでは復路はロードバランサを通さず「クライアント→ロードバランサ→サーバ→クライアント」という経路をたどる。

ルータやロードバランサの転送回数が減り性能が向上するほか、ロードバランサ側でサーバ行きパケットの送信元アドレスを書き換える必要もなくなる。ただし、トランスポート層(L4)レベルの情報しか利用できないためHTTPなどアプリケーション層の情報に基づく負荷分散はできず、帰りはロードバランサを通さないためロードバランサ側でのSSL/TLSの終端もできない。サーバ側で仮想アドレスの設定も必要になる。

(2023.10.29更新)