LAN間接続装置

概要

LAN間接続装置とは、複数の構内ネットワーク(LAN)を橋渡しし、相互に通信できるよう中継する機器の総称。どのレベルで中継をうかによっていくつかの種類に分類される。

LANLocal Area Network)は同じ部屋や同じ建物など狭い範囲内の機器が参加して相互に通信できるようにしたネットワークで、規模を拡大したり広域ネットワークWAN:Wide Area Netword)と接続したい場合はLAN間接続装置を設置して相互接続をう。

通信規格は役割ごとに階層構造を形成しており、7階層に整理したOSI参照モデル、あるいは、4階層に整理したTCP/IP階層モデルDARPAモデル)が参照される。LAN間接続装置も、どの階層で中継をうかによって呼称や機能が異なる。

OSIモデルにおける第1層物理層)で中継をうものは「リピータ」(repeater)と呼ばれ、単純にある接続先から受信した信号を別の接続先に再送信する。イーサネットEthernet)におけるリピータハブや、無線LANWi-Fi)におけるWi-Fi中継機(あるいはWi-Fiルータアクセスポイント間通信/リピータモードなど)が該当する。

OSIモデル第2層データリンク層/リンク層)で中継をうものは「ブリッジ」(bridge)と呼ばれ、受信したフレームなどから送信元や宛先などの情報を解析し、必要な相手や回線を選んで再送信する。イーサネットにおけるスイッチングハブネットワークスイッチ)や、無線LANにおけるWi-Fiアクセスポイントなどが該当する。

OSIモデル第3層ネットワーク層)、あるいはTCP/IPモデルインターネット層で中継をうものは「ルータ」(router)と呼ばれる。IPInternet Protocol)などの制御情報を認識し、アドレス体系などが異なるネットワーク同士を結びつけることができる。目的地までの経路を選択する機能を持ち、機器間で経路情報の交換などもう。

OSIモデル第4層トランスポート層)より上位層、あるいはTCP/IPモデルアプリケーション層で中継をうものは「ゲートウェイ」(gateway)と総称される。アプリケーションレベルの個別の制御情報を読み取り、通信の通過の可否を判断したり、異なるプロトコル間でデータ形式や制御データの相互変換などをう。プロキシサーバファイアウォールなどもこれに分類される。

(2022.12.9更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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