ポートVLAN 【ポートベースVLAN】 port-based VLAN / スタティックVLAN / static VLAN / 静的VLAN
概要
ポートVLAN(ポートベースVLAN)とは、VLAN(仮想LAN/バーチャルLAN)の方式の一つで、一台のネットワークスイッチ(スイッチングハブ)の差込口(ポート)を単位に、物理的な回線でグループを構成する方式。VLANのうち最も単純な手法である。スイッチに並んだケーブルの差込口のそれぞれに、所属するVLANの番号(ID)を割り当てていく。IDは通常、1から4094の任意の整数が用いられる。同じVLAN IDのポート間は接続・通信することができるが、他のIDのポートとは通信が遮断される。この方式では一つのポートが複数のVLANに所属することはできない。
複数のスイッチ間でも、同じVLAN IDを設定したポート同士をケーブルで接続すれば、両スイッチの同じVLAN IDのポートに接続された端末間で相互に通信することができる。ただし、接続はVLANごとに行わなければならないため、VLANの数やスイッチの台数が増えるとスイッチ間接続に必要なポートが急激に増えてしまう。
ポートVLANはスイッチ内で設定が完結するため端末側が特定の仕様や技術に対応している必要がなく、ほとんどのスイッチが対応しておりスイッチ間の互換性の問題もほとんどない。小規模で単純な構成のネットワークでVLANを導入したい場合に用いられることが多い。
一方、端末やスイッチ間で送受信されるフレーム自体にVLAN IDを付与して通信を制御する手法は「タグVLAN」(tagged VLAN)、通信の種類(プロトコル)ごとに異なるVLANを用意する手法は「プロトコルVLAN」(protocol-based VLAN)と呼ばれる。
(2024.8.20更新)