タグVLAN 【tagged VLAN】 タグベースVLAN
概要
タグVLAN(tagged VLAN)とは、VLANの方式の一つで、ネットワークを流れる個々のフレームに所属グループの識別番号(VLAN ID)を書き込む方式。ネットワークスイッチはIDを見て同じグループの端末にのみフレームを中継する。構内ネットワーク(LAN)内に、物理的な接続形態とは独立に機器の仮想的なグループを設定し、それぞれをあたかも一つのLANであるかのように運用する技術を「VLAN」(Virtual LAN:仮想LAN)という。グループの構成の仕方によりいくつかの手法がある。
LAN上を流れるデータは「フレーム」(MACフレーム/Ethernetフレーム)と呼ばれる単位で送受信されるが、タグVLANでは各フレームの先頭部分にある送信元や宛先などの制御情報が記述されたヘッダ内の特定の箇所に「VLAN ID」(VLAN番号)というグループを表す番号を記す。
各端末はフレームの送信時にVLAN IDを付与して送信し、ネットワークスイッチはこれを見て同じ番号を持つ端末へフレームを転送する。異なるIDの端末へはフレームを送らない。ヘッダ内でのIDの記述方式は「IEEE 802.1Q」という規格によって標準化されており、異なるメーカーの機器をまたいで共通して利用することができる。
IDにどのような値を設定できるかはスイッチの仕様などにより異なるが、IEEE 802.1Q規格では12ビットの符号なし整数(0~4095)として定義されている。通常、「0」は「どのVLANにも属していないフレームである」ことを表す特殊なIDとして使用され、「4095」はシステムが内部的に利用するため予約されている。VLAN IDとしては1から4094までの値を用いる。
ネットワークスイッチの接続口(ポート)単位でグループを構成する「ポートVLAN」(ポートベースVLAN)方式に比べ、複数のスイッチをまたいで共通のVLANグループを構成することができ、同じポートを複数の端末が使用する場合でもそれぞれ別のVLANの所属させることができる。
(2024.3.6更新)