ネットワークループ 【switching loop】 L2ループ / 物理ループ / スイッチングループ
概要
ネットワークループ(switching loop)とは、構内ネットワーク(LAN)などで、配線が装置間でループ(環状)になっている状態。また、そのような環状の配線。信号が無限に周回し続けて通信不能になってしまう。例えば、1台のネットワークスイッチ(スイッチングハブ)の2つのポート間を直にケーブルで繋いだり、2台のスイッチを2本のケーブルで直接繋ぐと、一方のポートから送出されたデータがもう一方に着いた途端、再び元のポートに向けて送出され、高速で循環してしまう。
このような状態に陥ると、やがて周回する信号で回線の帯域が埋め尽くされ、正常な通信が行えない状態になる。配線時にループが生じないよう注意する必要がある。機器によってはループの発生を自動的に検知して一時的に通信を遮断する機能を持つ場合もある。
3台以上のスイッチを用いてネットワークを構築する場合、耐障害性を高めるために網状に接続することもあるが、そのような場合には途中に循環的な経路が生じないよう、スパニングツリー(STP:Spanning Tree Protocol)などの技術を用いて途中の経路の一部を遮断し、ネットワークが木構造になるよう制御する。
なお、単にネットワークループという場合は物理的な経路が環状になっている状態を指し、IP(Internet Protocol)によるネットワーク上の論理的な転送経路が円環状になっている状態は「ルーティングループ」(routing loop)と呼ぶことが多いが、ネットワークループを後者を含む総称のように用いる場合もある。
(2019.6.3更新)