ノンインテリジェントスイッチ【non-intelligent switch】
概要
ノンインテリジェントスイッチとは、ネットワークスイッチ(スイッチングハブ)の製品分類の一つで、SNMPによる遠隔管理機能を持たないもの。受信したフレームを適切なポートへ転送する基本機能に限定され、遠隔からの監視や設定変更の仕組みを持たない。組織的な集中管理を必要としない小規模なネットワークや、コストを抑えたい環境で用いられることが多い。

イーサネットの集線装置であるネットワークスイッチの中には、ネットワーク管理者が遠隔地から状態の監視や設定の変更を行える「インテリジェントスイッチ」(intelligent switch)と呼ばれる高度な製品分類がある。
これはサーバやネットワーク機器の遠隔監視・管理に用いられる標準規格であるSNMP(Simple Network Management Protocol)に対応し、ポーリングによる情報取得やトラップ通知によって、ポートごとの通信量やエラー状況、稼働状態などを収集できる。企業内の大規模ネットワークやデータセンターなど、集中管理が前提となる環境で利用される。
ノンインテリジェントスイッチは、こうしたSNMPによる管理機能を搭載していない製品を指す分類である。管理用の専用部品や制御ソフトウェアを必要としないため部品構成が単純で、製造コストを抑えやすく、ポート数の少ない廉価な製品が多い。不具合の発生時や設定の変更が必要な場合には現地で機器を直接操作する必要があるが、家庭内LANや中小規模オフィスの末端部など、接続する端末数が少なく管理の手間がかからない用途には十分に適している。
この分類で注意すべき点は、機能の高度さとSNMP対応の有無が必ずしも一致しないことである。VLAN(仮想LAN)やQoS(帯域制御)、接続認証などの設定機能を備えた製品であっても、SNMPによる遠隔管理に対応していなければノンインテリジェントスイッチに分類される。この呼称は搭載機能の多寡を直接表すものではなく、「SNMP対応の有無」という基準に着目した分類名である。
(2026.6.19更新)