スパイン/リーフ型ネットワーク 【spine-leaf architecture】 リーフスパインアーキテクチャ / leaf-spine architecture
概要
スパイン/リーフ型ネットワーク(spine-leaf architecture)とは、大規模な構内ネットワーク(LAN)の構成法の一つで、末端の機器を収容するリーフスイッチ(leaf:葉)と、リーフスイッチ間を接続するスパインスイッチ(spine:脊椎)の2階層でネットワークを構成する方式。データセンターなどで用いられる。従来の大規模ネットワークは、サーバや端末などを接続するためのアクセス層、ネットワーク中枢部と末端部を橋渡しするディストリビューション層(アグリゲーション層)、サブネットワーク間の接続や外部ネットワークとの接続を行うコア層で構成されることが多かった。
データセンターにおいては末端のサーバはもっぱら外部(インターネット)の機器と通信することが多かったため、3階層の構成により、インターネット-ルータ-コアスイッチ-ディストリビューションスイッチ-アクセススイッチ-サーバという「縦方向」の通信を効率よく捌くことができた。
しかし、近年ではクラウドサービスの発達でデータセンター内部のサーバ間での通信が頻繁に行われるようになり、サーバが施設内の別のサーバとやり取りする「横方向」の通信が増え、階層の厚さにより却って効率が悪化する状況が生じつつあった。
スパイン/リーフ型ネットワークでは、サーバはリーフスイッチと呼ばれる末端のスイッチに収容されるが、リーフスイッチは上位層のスパインスイッチすべてと接続する。各スパインスイッチもすべてのリーフスイッチと繋がれるが、リーフスイッチ同士、スパインスイッチ同士は接続しない。
これにより、あるサーバから他のどのサーバへ対してもリーフ-スパイン-リーフという3ホップで到達でき、低遅延で横方向の通信を捌くことができる。スイッチング容量が逼迫したら単純にスパインスイッチを追加して各リーフスイッチと繋ぐだけで規模を拡張することができる。配線のループ構造がないためスパニングツリー(STP)を構成しなくて良いことも効率向上に資する。
(2023.6.28更新)