PAgP 【Port Aggregation Protocol】

概要

PAgP(Port Aggregation Protocol)とは、同じネットワーク機器間を繋ぐ複数の回線を束ねて一つの論理的な回線として扱えるようにするための通信プロトコル(通信規約)の一つ。米シスコシステムズ(Cisco Systems)社のネットワークスイッチなどで利用できる。

PAgPに対応した機器同士を複数の通信ケーブルで接続すると、これを自動的に検出して一つの論理回線を構成して通信を開始する。一般的にリンクアグリゲーションまたはポートトランキングと呼ばれる仕組みだが、同社ではこれを「EtherChannel」(イーサチャネル)と呼んでいる。

PAgPでは最大で8本までの物理回線を束ねることができ、一体的に運用することで本数に比例した高速通信が可能となる。その中のいくつかが故障、断線するなどして通信不能になっても、速度を落として通信を継続することができる。

ポートごとに2つの動作モードのいずれかを指定できる。「auto」モードに設定されたポートは接続相手の対向ポートからEtherChannel開設のネゴシエーション(交渉)を持ちかけられれば応じるが、自身から相手を誘うことはしない。「desirable」モードでは接続時に積極的に対向ポートネゴシエーションを仕掛ける。EtherChannelを利用するにはケーブルで繋がる2つのポートのどちらかがdesirableである必要がある。

ほぼ同じ機能のプロトコルとして「LACP」(Link Aggregation Control Protocol)があるが、PAgPとは仕様が異なり、直接の互換性、相互接続性は無い。こちらはIEEE 802.3adとして標準化されており、様々な企業の製品に採用されている。複数の製造元のスイッチなどを組み合わせてリンクアグリゲーションう場合はこちらを利用する。

(2021.2.13更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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