島ハブ【島スイッチ】
概要

「島ハブ」という語は設置場所や用途を表す通称であり、そのような製品区分が存在するわけではない。実際にはイーサネットのスイッチングハブが用いられる。接続できる機器は数台から十数台程度で、各デスクのパソコンや共用プリンタ、IP電話などを収容する。
社内ネットワークの階層構造において、島ハブは末端に位置する。上流には部署やフロア単位で設置されるスイッチやルータが存在し、そこから建物全体の基幹ネットワークへと接続される。各デスクの端末はLANケーブルで最寄りの島ハブに集約され、そこから1本のケーブルで上位機器へ中継される。これにより、端末ごとに上位機器まで配線を引き回す必要がなくなり、配線量の削減やレイアウト変更への対応が容易になる。
島ハブは情報システム部門が計画的に設置するほかに、端末の増加で空きポートが不足した際、現場の担当者が市販品を独自に購入して増設する場合がある。こうした管理外の機器がネットワーク内に混在すると、障害発生時に通信経路の把握や原因箇所の特定が難しくなる。LANケーブルの誤接続によってフレームがネットワーク内をループし続けるループ障害が発生すると、ネットワーク全体が機能不全になることもある。
また、VLANによる論理的な分割やIEEE 802.1Xによる接続認証など、他の機器との連携が必要な機能を導入している環境では、追加された機器がこれらに対応していない場合、セキュリティ設定や通信制御が正常に機能しなくなる恐れがある。こうしたリスクから、多くの組織ではネットワーク機器の設置・変更を情報システム部門への届け出や承認の対象として管理している。近年では配線の煩雑化を避ける目的や、ノートパソコンやスマートフォンなど可搬型の機器の普及を背景に、島ハブを設置せず無線LAN(Wi-Fi)へ移行するオフィスも増えている。