ダムハブ【dumb hub】
概要
イーサネット(Ethernet)では、パソコンやサーバなどの機器をケーブルで中継装置に接続し、中継装置が信号を転送することで機器間の通信が成立する。中継装置は機能に応じて分類されるが、ダムハブはその中でも最も単純な構造を持つものを指す総称的な呼び方である。
リピータハブの意
「ダムハブ」という語は、主に二つの異なる文脈で用いられる。一つは、信号を適切な相手にのみ送り届けるスイッチング機能を持たず、あるポートで受信した信号を宛先に関わらず他のすべてのポートにそのまま転送するハブを指す文脈である。このような装置では、同一ハブに接続された全機器が信号を受信することになる。
このタイプの装置を指す正式な技術用語は「リピータハブ」(repeater hub)である。接続された機器が一つの通信経路を共有するため、複数の機器が同時に送信すると信号衝突(コリジョン)が発生しやすく、接続台数や通信量の増加に伴って通信効率が低下しやすい。現在では宛先機器のみにフレームを転送する「スイッチングハブ」(ネットワークスイッチ)が主流となり、リピータハブが新たに導入される例はほとんどない。
ノンインテリジェントハブの意
もう一つは、SNMPなどによる遠隔からの監視・管理機能に対応しておらず、設定変更や障害対応の際に管理者が装置へ直接触れて操作する必要がある製品を指す文脈である。トラブル発生時に遠隔操作ができないため、管理者が設置場所に赴いて配線の確認やリセットを行う必要がある。このような製品を指す正式な用語は「ノンインテリジェントハブ」(nonintelligent hub)であり、対義語として遠隔管理機能を備えた製品は「インテリジェントハブ」(intelligent hub)と呼ばれる。
このように、ダムハブという語は単一の技術仕様を指すのではなく、機能が単純であるという性質そのものを表す言葉として使われている。現在の家庭用やオフィス用のLAN環境でダムハブと呼ばれる製品の多くは、スイッチング機能を備えつつ遠隔管理機能を省いた、ノンインテリジェント型のスイッチングハブである。
