IRF【Intelligent Resilient Framework】IRFスタック
概要

IRFを構成したスイッチ群は、外部から見ると1台の大型スイッチとして振る舞う。個々の装置を別々に管理する必要がなくなり、単一の管理IPアドレスや設定情報を共有する。また、STP(Spanning Tree Protocol)による経路制御が不要となり、すべてのリンクをアクティブな通信経路として有効活用できる。
対応機種であれば接続のために専用のスタックポートや専用ケーブルは不要で、1000BASE-TやSFP、SFP+といった汎用の通信ポートを通常のLANケーブルや光ファイバーケーブルで相互接続することで利用可能になる。既存の通信資産をそのまま流用して構成できる。
IRF構成内の各スイッチには、識別番号である「Member ID」と優先度を示す「Priority」を設定する。Priority値が小さいスイッチが「マスター」(制御側)となり、設定管理や経路制御を担当する。残りのスイッチは「スレーブ」としてマスターの制御下で動作する。マスターに障害が発生した場合は別のスイッチがマスターへ昇格し、通信の継続性が保たれる。また、複数の装置にまたがるリンクアグリゲーションを構成できるため、サーバや上位スイッチとの接続における負荷分散と冗長化を同時に実現できる。
IRFはHPE製品またはHPEによるOEM製品でのみ利用できる。参加するスイッチは必ずしも同一機種である必要はないが、ファームウェアのバージョンを揃えることが条件となる。混在の可否は製品シリーズごとに異なるため、実際の構成ではメーカーが公開する互換性情報を確認する必要がある。なお、IRFはもともと旧H3C社(旧3Com社傘下)が開発した技術であり、HPEへの統合後も同社のエンタープライズ向けスイッチ製品における主要な冗長化・高密度化ソリューションとして継承されている。