.dotファイル【.dot file】

概要

.dotファイル（.dot file）とは、米マイクロソフト(Microsoft)社のワープロソフト「Microsoft Word」の標準ファイル形式の一つで、文書の雛形(テンプレート)を保存するもの。Word 2003以前で用いられていた形式で、標準のファイル拡張子は「.dot」。

Wordにはテンプレートをもとに文書を作成する機能があり、あらかじめ作成されたテンプレートを呼び出して、内容を書き入れて完成させる。定型的な文書の作成や、大半が同一だが一部が異なる文書を繰り返し作成する場合などに作業を効率化することができる。

テンプレートファイルはいわば「作りかけ」のWord文書となっており、ページや文字編集に関する設定情報が保存されている。用途によっては表題やヘッダー、フッターなど定形部分を記入しておき、変更箇所だけを書き入れれば良いようにすることもできる。

Wordには「Normal.dot」という標準テンプレートファイルが組み込まれており、起動時にはこのテンプレートをもとに白紙の文書が用意される。これを編集して内容を更新することもできるが、利用者が独自にWord テンプレートを.dotファイルとして保存することもできる。

テンプレートを開いて文書を作成した場合、単に保存を選択すると新規に文書ファイルとして保存され、テンプレートファイルへは保存されない。テンプレートを作成・更新したい場合は「名前を付けて保存」を明示的に選択し、ファイル形式の欄で「テンプレート（*.dot）」を選択する。

.dotファイルはWord 97からWord 2003で用いられていたファイル形式であり、現在のWordでは互換性のために読み書き可能だが新規の利用は非推奨とされる。Word 2007以降では標準ファイル形式が刷新され、マクロやVBAが含まれるテンプレートは「.dotmファイル」、含まれないテンプレートは「.dotxファイル」が標準となっている。