読み方 : マスタースレーブほうしき
マスター/スレーブ方式【master-slave】
概要
マスター/スレーブ方式とは、複数の機器やソフトウェアなどが連携して動作する際に、制御する側(マスター)と制御される側(スレーブ)に役割を分ける方式。

マスターが処理の開始や停止、データの送受信などを指示し、スレーブはその命令に従って動作する。制御権が一か所に集約されるため、複数の機器が同時に動作する環境でも競合や衝突を防ぎやすい。同種の機器を並列に接続して協調動作させる場面に適しており、通信機器や産業機械、コンピュータシステムなど様々な分野で採用されている。
例えば、データベースシステムでは、機能的には同一である複数のサーバ群の中から一台をマスターに任命して書き込み処理を受け持たせ、その内容を複数のスレーブに複製して外部からの参照・問い合わせに応答させる方式がよく用いられる。また、工場の制御ネットワークでは、マスターとなる装置が各スレーブ機器へ順番に命令を送り、応答を受け取ることで全体を制御する。
マスターとスレーブが異なる種類の装置である場合にもこの呼称が使われることがあり、必ずしも同種・同機能の機器間に限った用語ではない。また、実際には制御関係があるわけではなく、単に優先順位や処理順序を区別するために便宜上用いるケースもある。なお、マスターに障害が発生するとシステム全体が停止または機能が大きく制限されるため、待機系を用意して自動的に切り替える冗長化構成が取られることも多い。
英語圏では、機器の関係を「主人と奴隷」という語で表すことの適否をめぐる議論がある。歴史的な奴隷制度との直接の関係はないとする立場も根強いが、IT企業やオープンソースコミュニティ、標準化団体などでは用語を見直す動きが広がっている。データベース分野での「プライマリー/レプリカ」、並列処理での「マネージャー/ワーカー」、階層構造を示す「ペアレント/チャイルド」など、関係の実態をより直接的に表す表現への置き換えが進んでいる。
(2026.6.30更新)