コールドアイル【cold aisle】冷気通路
概要

データセンターでは、コンピュータや通信機器を収納したラックを複数列に並べて運用する。列と列の間には通路が生じるが、各ラックの同じ側同士が通路を挟んで向き合う配置とすることが多い。このとき、機器の前面同士が向き合う通路がコールドアイル、背面同士が向き合う通路が「ホットアイル」(hot aisle)である。
サーバやネットワーク機器は一般に、筐体前面から冷気を吸い込み、内部を冷却したうえで背面から排熱する構造を持つ。コールドアイルには空調設備の吹き出し口や床下の送風口を集中させ、低温の空気をラック前面へ効率よく届けるよう気流が制御される。裏側のホットアイルには排熱が集まるため、吸気口を配置して熱気を速やかに室外へ排出する。
冷気と排熱の混合を防ぐため、ラック上部と天井の隙間をブランクパネルや断熱材で塞ぐ処理が施されることも多い。通路全体を天井パネルやカーテンで囲い込む「アイルコンテインメント」(aisle containment)を導入する施設も増えている。コールドアイル側のみを密閉する方式は「コールドアイルコンテインメント」と呼ばれ、冷気の温度上昇を抑えて空調の消費電力を削減する効果がある。
クラウドコンピューティングの拡大やAI処理の高発熱化により、データセンターの消費電力は増大する傾向にある。ホットアイルとコールドアイルを交互に配置する気流管理は、PUE(電力使用効率)の改善や機器の安定稼働を支える単純かつ効果的な手法として、現在もデータセンター設計で重視されている。
(2026.6.24更新)