環境【environment】env/システム構成
概要

環境とは、ある主体にとって、その周囲を取り囲み影響を与える世界や状態、状況のことである。一般には自然環境や社会環境などを表すが、IT分野では主にコンピュータやソフトウェアが動作するための構成や設定の組み合わせを意味する。
ある装置やソフトウェアにとっての環境は、導入されるコンピュータの機種や性能、CPUやメモリなどのハードウェア構成、OSやミドルウェア、ライブラリなどソフトウェアの構成や設定、ネットワーク設定などからできている。これらの組み合わせ次第で、同じソフトウェアでも正常に動作したり異常終了したりする。
周辺機器やアプリケーションソフトをコンピュータに導入する際には、利用可能な機種やOSの種類、必要なメモリ容量、依存する別のソフトウェアなど、あらかじめ定められた条件がある。これらの条件を満たす環境を整えなければならない。製品の説明書や配布ページには対応OSや必要なソフトウェア、推奨構成などが記載されており、利用者はこれを参照して準備を行う。
システム開発では、用途に応じて複数の環境を使い分ける。開発者がプログラムの作成や修正を行う「開発環境」、完成した制作物の動作確認や品質確認を行う「テスト環境」、実際の利用者が業務やサービスに使用する「本番環境」などである。このほか、本番環境に近い条件で事前確認を行う「ステージング環境」を設ける場合もある。これらはそれぞれ目的が異なり、開発中の不具合が稼働中のサービスに影響を与えないよう、物理的あるいは論理的に隔離された状態で管理される。
必要なハードウェアやソフトウェアを揃え、組み合わせて設定を調整し、特定の環境を作り出す作業を「環境構築」という。機器やソフトウェアの選定だけでなく、各種設定の調整やネットワークの接続確認なども含まれ、対象システムの規模や用途によって作業の範囲や内容は変わる。近年では仮想化技術やコンテナ技術の普及により、環境をソフトウェアとして定義し同じ構成を複数のコンピュータに再現する手法が用いられている。これにより、個々のコンピュータによる設定のばらつきを防ぎ、環境から運用までの各段階で生じる動作の不一致を解消することが可能となっている。