SPI 【Serial Peripheral Interface】 シリアルペリフェラルインターフェース

概要

SPI(Serial Peripheral Interface)とは、コンピュータや電子機器の内部でICチップや装置などの間を接続するためのデータ伝送路の規格の一つ。構成がシンプルなシリアルバスの一種。

複数の装置が一つの伝送路を共有するバス型の接続方式で、一方向の通信に一本の信号線を用いるシリアル通信方式を採用している。クロック信号同期するため、非同期型のシリアル通信インターフェースより高速に通信できる。

制御側(マスター)と被制御側(スレーブ)に役割が分かれたマスター/スレーブ方式運用され、4本の信号線で通信する。クロック信号「SCK」(Serial Clock)、マスターからの送信「MOSI」(Master Out Slave In)、スレーブからの送信「MISO」(Master In Slave Out)、スレーブ選択「SS」(Slave Select)の4本である。スレーブが一台の場合はSSを省略して3本とすることもできる。

パラレル通信インターフェースより伝送速度は劣るが、回路や端子がシンプルで低コストに実装できるため、それほど高速性が必要ない機器における電子基板内部のチップ間通信などでI2Cと並んでよく利用される。

1980年代半ばに当時の米モトローラ(Motorola)社が開発し、事実上の標準として広く普及した。標準化機関などが定めた公式な規格はなく、同社が仕様をまとめた「Application Note AN991」という文書が参照されている。他社による実装では細部の仕様が異なるバリエーションも存在する。

モトローラ社の半導体部門は後にフリースケール・セミコンダクター(Freescale Semiconductor)社として独立し、蘭NXPセミコンダクター(NXP Semiconductors)社と合併したため、現在は同社がSPIの仕様を所管している。

(2023.2.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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