リファレンスデザイン【reference design】参照設計/レファレンスデザイン

リファレンスデザインとは?

半導体などの部品メーカーが応用製品メーカーに提供する、自社部品を組み込んだ完成品の設計例のこと。回路図や部品表、ソフトウェア設定例などをまとめたもので、メーカーによってはそのまま量産すれば製品ができあがるというレベルにまで作りこまれた設計図などを提供する場合もある。
リファレンスデザインのイメージ画像

電子機器を一から設計するには、高度な知識と長い開発期間、多くの技術者が必要となる。部品単体の性能だけでなく、配線方法や電源構成、発熱・ノイズ対策などによって動作品質が大きく変わるためである。

特に、高速通信や高周波回路では設計条件が厳しく、誤った配置や配線が性能低下や誤動作を引き起こすことがある。部品メーカーがリファレンスデザインとして動作確認済みの設計を提供することで、開発者は検証の手間を省き、自社製品に独自の部分だけに開発資源を集中できる。

リファレンスデザインを活用することで、製品化までの期間を短縮することができる。検証済みの設計を出発点にすることで、設計や試作、テストなどの工程全体を通して数か月単位で短縮できる場合もある。部品メーカー側にとっても、使いやすい設計資料を提供することで自社部品の採用を促す効果がある。

一方、リファレンスデザインをそのまま使用した製品は安定した性能が期待できるが、どのメーカーの製品も性能に大きな差が出にくくなる。メーカー間の差別化は図りにくく、この手法を採用するのは開発費を抑えて営業力や生産コスト削減に強みを持つメーカーが多い。外観やブランドが異なる複数メーカーの製品が、共通のリファレンスデザインを使っているため内部の基板構成は酷似しているといった例もある。

家電や産業機器、医療機器、自動車など電子部品を使うほぼすべての分野で活用されており、複雑化する現代の製品開発において、部品メーカーと製造メーカーをつなぐ実用的な設計基盤となっている。なお、ハードウェアに限らず、サーバ構成やネットワーク設計、セキュリティ設定などをまとめたクラウド分野やソフトウェア分野の設計例もリファレンスデザインと呼ばれることがある。

(2026.5.11更新)

他の辞典等による「リファレンスデザイン」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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