物理スイッチ 【physical switch】 物理SW

概要

物理スイッチ(physical switch)とは、物理的な装置としてのスイッチ。ボタンを押してオン・オフを切り替える器具や装置を指す場合と、物理的な装置としてのネットワークスイッチを指す場合がある

切り替え装置

機械を操作する器具や装置の一つで、ボタンを指で押すなどして2つの状態(オン・オフなど)を交互に切り替えることができるものをスイッチという。「物理スイッチ」という場合は、操作画面上でタッチ操作などで切り替えをう方式と対比して、実際に物理的なスイッチ器具を用意する方式を指す。

例えば、自動車の様々な装置の操作はそれぞれの装置や機能に対応するスイッチハンドルわれるが、近年では液晶画面に操作メニューを表示して指で触れて操作する方式が広まっている。このような方式と対比して、従来の物理的なスイッチ器具のことを「物理スイッチ」と呼んでいる。

物理ネットワークスイッチ

仮想化の分野では、コンピュータ内にソフトウェアによって仮想的に構成される「仮想スイッチ」(virtual switch)と対比して、物理的なネットワーク機器としてのネットワークスイッチを「物理スイッチ」と呼ぶ場合がある。

仮想化技術では、一台の物理的なコンピュータを複数の「仮想マシン」(VMVirtual Machine)に分割し、それぞれ独立にオペレーティングシステムOS)を起動してアプリケーションを稼働させることができる。

VMにはソフトウェアによって構成された仮想的ネットワークインターフェースである「仮想NIC」を通じてネットワークに接続するが、物理コンピュータには仮想NICの数に対応するだけの物理NICを用意できないため、コンピュータ内で何らかの交通整理が必要となる。

そこでよく用いられるのが仮想スイッチで、物理コンピュータ内に仮想的ネットワークスイッチを構成し、各VM仮想スイッチに接続する。仮想スイッチ上流の機器として物理NICと接続され、仮想NICからの通信を外部へ橋渡しする。この仮想スイッチと対比する文脈で、実際のネットワークスイッチを物理スイッチと呼ぶ。

(2023.12.22更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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