マルチドロップ【multidrop】
マルチドロップとは?
複数の機器を結ぶ通信ネットワークの物理的な接続形態の一つで、一本のケーブルから各機器へ繋がるケーブルが枝分かれしている構造のこと。

単一のケーブルや通信回路に、通信を行うすべての機器が直に繋がれている接続形態である。一本の回線を複数の機器で共有するため、それぞれの機器を個別の回線で結ぶ方式(ポイントトゥポイント)と比較して、配線の総量を大幅に減らせる。機器の台数が増えても新たな回線を引く必要がなく、既存の回線に機器を追加するだけで済む。
一方、接続台数が増えるほど一台あたりの通信頻度が下がり、応答速度が低下する。回線上の一部に障害が発生した場合、その影響が複数の機器に及ぶリスクもある。回線長や接続台数が増えると信号の減衰や反射の影響が大きくなるため、接続数や距離には規格ごとの制限が設けられている。
通信の仕組みとしては、接続された機器にそれぞれ固有のアドレスを割り当て、どの機器が送受信するかを識別する方式が一般的である。信号の衝突を避けるため、終端にある一台の機器が制御側(マスター)となり、ケーブルにぶら下がった被制御側(スレーブ)の機器を制御する仕組みになっているシステムが多い。
マルチドロップ型の接続形態を用いる通信規格として、コンピュータと周辺機器の接続などに用いられるシリアルインターフェース規格の「RS-422」や「RS-485」、初期のイーサネット(Ethernet)規格の「10BASE5」などがある。なお、単一の伝送路を共有する方式は「バス型ネットワーク」とも呼ばれるが、バス型は論理的な接続形態を指し、物理的な配線がマルチドロップ以外の場合も含まれる。