ESD 【Electro-Static Discharge】 静電気放電
概要
ESD(Electro-Static Discharge)とは、物質や物体に蓄えられた電荷が別の物体に向けて一気に放電する現象。真冬に手でドアノブなどの金属に触れたとき「バチッ」と放電する、いわゆる「静電気」現象や、落雷などが該当する。人体や物体、物質は、明確な電源などが無くても摩擦などで帯電することがある。二つの物体の片方が正電荷(+)、もう片方に負電荷(-)が蓄えられる現象で、両者の間が絶縁体で隔てられ、ある種のコンデンサ回路のような働きをすることで起きる。
帯電した物体が、反対の電荷で満たされた物体に接近すると(あるいは静電容量を超えて電荷が貯まると)、間を隔てる空気などの絶縁体を貫いて一気に放電される。この現象をESDという。日常的には、冬に指を金属に近づけたときに起きる空中放電を「静電気」、雲と地面の間で(あるいは雲間で)生じる巨大な放電現象を「雷」と呼ぶ。
電流が小さく人体に悪影響がない小規模なESDでも、電圧は極めて高い場合があり、電子機器や内部の半導体チップなどに流入すると誤作動や故障、完全な破壊に至る場合がある。これを防ぐために行われるのがESD対策で、外部接続用の金属端子などから内部の回路にESDが流入するのを防ぐESD保護素子を装着するなどの方策が取られる。
(2023.10.5更新)