セキュリティプロトコル 【security protocol】 セキュアプロトコル / secure protocol

概要

セキュリティプロトコル(security protocol)とは、ネットワーク上で用いられるプロトコル(通信規約)のうち、暗号化など通信の安全性を確保したり高めたりする機能を備えたもの。

通信の機密性完全性の確保に関連する機能を実装したプロトコル群で、狭義には暗号プロトコルを指すことが多いが、広義には、暗号化に加え認証プロトコルや鍵交換プロトコル電子署名アルゴリズムなどが含まれる。

暗号プロトコルは二者間の通信を暗号によって盗聴や改竄から保護するプロトコル群で、通信のどの過程で暗号化などの機能を提供するかによっていくつかの種類に分かれる。リンク層ネットワークアクセス層)で機能するものには無線LAN暗号化するWEPWPAWPA2WPA3、VPNなどに用いられるPPTPやL2TP、L2Fなどがある。

ネットワーク層インターネット層)で機能するものとしてはIPsecがよく知られ、トランスポート層で機能するものとしてはSSLや後継のTLSおよびDTLSQUICなどがある。アプリケーション層では、SSL/TLSと既存のプロトコルを組み合わせたHTTPSなどの「~S」プロトコル群や、S/MIMEやPGPなどメッセージ暗号化仕様、SSHなどをセキュリティプロトコルに分類する場合がある。

暗号化以外の広義のセキュリティプロトコルとしては、RADIUSTACACS+KerberosOAuthSAMLCHAPPAPEAPなどの認証認可のためのプロトコルDHDiffie-Hellman鍵交換)やECDH、ECDHEなどの鍵交換プロトコルHMACやCMACなどのメッセージ認証コードなどが挙げられる。

(2023.10.28更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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