パスフレーズ 【passphrase】

概要

パスフレーズ(passphrase)とは、利用者認証などに用いる秘密の文字列の一種で、パスワードよりも長いもの。人間が覚えやすいように、いくつかの単語を空白で区切った句(フレーズ)を設定することが多いためこのように呼ばれる。

何文字以上をパスフレーズと呼ぶか厳密な定義や規格があるわけではないが、通常、8文字前後の入力を求めるものをパスワード、それ以上の長さ(十数字~数十字)を要求するものをパスフレーズと呼ぶことが多い。

入力規則やデータ形式などにも違いはなく、システム上では単に長いパスワードとして取り扱われる。使用できる文字はASCII文字コード上に存在するラテンアルファベット(a~z/A~Z)、アラビア数字(0~9)、記号文字の一部、空白文字の組み合わせが一般的だが、稀にこれらに含まれない各言語固有の文字などを使用できるシステムもある。

長さと安全性

規則性のないランダムな文字の並びを数十文字に渡って正確に覚え、入力することは人間にとって困難であるため、実用上、英単語など馴染みのある数文字ごとのまとまりをスペースで区切って複数並べた文字列を設定することが多い。

このような形式はパスフレーズという名称の由来ともなっているが、自然言語の単語は数が限られ、綴りや単語の前後関係、出現頻度などにも規則性があるためランダム性が低く、辞書攻撃などにも弱い。また、人間が考えると家族の名前など本人に関係する単語を選択してしまいがちであるなど、不注意に運用すると短いランダムなパスワードより割り出しやすくなってしまう危険がある。

(2024.2.7更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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