ファブレス 【fabless】 ファブレス企業 / ファブレス経営 / ファブレスメーカー
概要
ファブレス(fabless)とは、製造業(メーカー)として事業を行う企業のうち、工場などの製造設備を所有せず、生産工程を丸ごと外部の企業に委託する事業者のこと。また、そのような事業モデル。自らは製品の企画、開発、設計、販売、サポートなどを行い、部材や原材料の調達、製造、組み立てといった工程は外部の提携先の工場に委託する。製造設備や施設などの資産および人員を固定的に抱えず、固定費や償却コストを気にせず事業計画を立てられるため、市場の変化に対応して素早く製品を投入したり切り替えたりすることができる。
原則として製造した製品はすべて自社の資産(在庫)として所有し、自社ブランドの製品として出荷するため、他社製品を仕入れて販売する販売代理店や商社、問屋、卸売業者とは区別されるが、統計上の産業分類などでは卸売業などに分類されることもある。
もともとアパレルなど流行の移り変わりの速い業種で一般的な業態だったが、1980年代以降はそれまで自社生産が一般的だった電子機器や家電製品、半導体製品などIT関連の業種でも広まった。ファブレスの興隆に伴って、委託先となる(自社製品を持たない)生産専門のメーカーも台頭しており、電子機器の受託生産メーカーを「EMS」(Electronics Manufacturing Service)、半導体製品の受託生産メーカーを「ファウンドリ」(foundry)という。
(2018.9.26更新)