プロセスイノベーション【process innovation】工程イノベーション
プロセスイノベーションとは?

イノベーションとは革新、刷新、新機軸などの意味で、企業が大きく躍進したり他社を引き離すのに必要となる、従来の延長線上には根源的な変化のことを意味する。漸進的な改良などではなく、既存の市場秩序を破壊し、新たな市場や競争原理を創出するような不可逆な変化を伴う革新を意味する。
そのような変化をどこで起こすか(起こそうとするか)に関して大きく分けて二つのアプローチがあり、その一つが製品やサービスそのものの革新である「プロダクトイノベーション」、もう一つが製品を作り届ける工程(プロセス)における革新である「プロセスイノベーション」である。
プロセスイノベーションでは、消費者の目に触れる成果物を変えるのではなく、それを作り出す手順や技術、組織の体制などを従来の延長にはない革新的な方式に改める。製造時間の短縮、不良率の低下、作業の標準化などを通じて製品の競争力を大きく向上させ、市場や社会における製品カテゴリーの位置付け自体を不可逆に変化させる場合もある。
歴史的に広く知られる例が、20世紀初頭に米フォード・モーター(Ford Motor)社が導入したベルトコンベア式の自動車工場である。自動車という製品自体は変わらないまま、組み立て工程を細分化、連続化することで生産コストを劇的に低減し、それまで高級品だった自動車を大衆が手の届く価格で提供することに成功した。工程の変革が産業構造や社会のあり方にまで波及した事象として、しばしば参照される。
現代では製造業に限らず物流や金融、医療、行政など幅広い分野でプロセスイノベーションを目指す改革が行われている。AIや自動化ツール、基幹業務システムの普及により、人手に頼っていた作業を機械やソフトウェアが担うようになり、処理速度の向上やミスの削減が実現されている。センサーで収集したデータをもとに設備の故障を事前に察知する手法や、物流網のリアルタイム最適化なども、この流れの中に位置する。