EMS 【Electronics Manufacturing Service】

概要

EMS(Electronics Manufacturing Service)とは、電子機器の受託生産を専門に行う企業で、製品の設計から調達・購買、量産、試験、流通、販売後の修理などを総合的に請け負う能力を持つ事業者のこと。

主に大手メーカーなどの企画・販売する一般消費者向けの製品の大量生産を受託する業態で、規模の経済による生産設備や人員の稼働率向上や平準化、巨大な部品の購買力による低コストを武器に、設計やサポートなど付加価値の高い隣接領域を一括して受託することで収益性を高めている。

日本や米国など、もともとメーカーの自社工場が多く立地していた国では、伝統的な電子機器メーカー内で不振にあえぐ製造部門を工場や人員ごと買収し、売却元企業の製品に加え他社から受託した生産も行うことで収益性を回復するといった事例も相次いでいる。

1977年創業の米ソレクトロン社(Solectron)がシリコンバレーのコンピュータ関連企業からの受託生産で急成長したのがその魁と言われ、現在では台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業(Foxconnグループ)や、2007年に元祖のソレクトロンをも買収した米フレックス(Flex)社(シンガポールのフレクストロニクス社が本社移転・改称)が業界大手として知られる。

(2018.10.17更新)

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