読み方 : エヌアールイー
NRE【Non-Recurring Engineering】
概要
NREとは、製品の開発や製造において、一度だけ行われる設計や試作、検証などの工程。また、その費用(NREコスト)。量産後に繰り返し発生する工程やコストと対比される。

電子機器や半導体製品などの場合、仕様の検討から回路設計、試作品の製造、動作検証、金型や半導体チップ製造用フォトマスクの作成までがNREに含まれる。これらは同じ製品を追加生産する際には原則として再発生しない。
一方、ソフトウェア製品の開発では、仕様策定やプログラミング、テストといった工程のほぼ全体がNREにあたる。製品の物理的な複製・生産の工程が存在しないためである。文脈によっては、既存のソフトウェアパッケージの顧客向けカスタマイズ、個別対応のことを指してNREと呼ぶ場合もある。
NREは固定費であるため、量産数量が増えるほど製品一個あたりの負担は小さくなる。半導体分野では特にこの傾向が顕著で、先端プロセスを用いた大規模チップではNREだけで数十億円から数百億円に達することもある。少量生産の製品では量産単価が低くてもNREコストの負担が重く、トータルコストが割高になりやすい。
受託開発やODMでは、NREは契約上の焦点にもなる。発注元が費用を一括負担する場合は技術の帰属を明確にする必要があり、受注側が費用を先行投資して単価に転嫁する場合は販売不振のリスクを伴う。いずれの形態でも、量産単価とは別に「NRE費」として請求・計上されるのが一般的である。
(2026.5.8更新)