フレキシブル生産システム 【FMS】 Flexible Manufacturing System

概要

フレキシブル生産システム(FMS)とは、工場の生産システムの一種で、一つの生産ラインで複数の品目を小ロットずつ柔軟に作り分けられる能力を持ったもの。大量生産によるコスト低減と多品種少量生産をある程度両立することができる。

従来のライン生産では一つのラインで一つの決まった品目を大量生産するが、フレキシブル生産システムではロボットの導入や機器間の通信・連携により複数の品目に同時に対応する。需要の変動に応じて迅速に生産量の増減や生産品目の切り替えを行い、効率よく多品種少量生産を行うことができる。

各工程には自動制御の搬送機や加工機械、産業用ロボットなどが導入され、自動化、省力化を進める。全体を統合的に制御する情報システムにより各機器への指示や生産状況の把握をリアルタイムに行うことができる。人間が行う業務は計画や指示、監視などが中心で、作業に伴う人為的なミスも減らすことができる。

生産現場へのコンピュータや通信システムの導入に伴い1980年代頃から本格的に普及、発展してきた生産方式で、自動車工場の混流生産などの例でよく知られる。現代では電気機械、電子機器、住宅設備、衣料品、食品、医薬品など様々な分野の工場で導入が進んでいる。

(2022.1.31更新)

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試験出題履歴

ITパスポート試験 : 平30春 問25
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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